ああどうしよう。この俺から存在感まで奪われたら、一体何が残るというんだ。



頼むから、そんな綺麗な顔で俺を見下ろさないでくれ。スゲー惨めな気分になる。







「おい、聞いてんのかよ。」


「浪川、蔵之助。」


「・・・・は?」








一言、それだけ言えば。いくつか瞬きをしたソイツが固まった。吸っているタバコの灰が、ぽたりとコンクリートに落ちる。



・・・・なんだ?名前までダサいってか?






俺から目を離さないソイツに、堪らず身を起こす。どうかしたか?と聞けば、焦ったように、何でもねぇ。とだけ返された。












『不良なクラスメイト』









(この時のコイツの反応が、)
(後で痛い程身に染みて。)






この時のお前のタバコの匂いを思い出しては、





泣きそうになる。