頬をなでる手が髪をすくように後頭部に回った。

そのまま引き寄せられて、隙間なく重なる唇。


「……れっ……」


つかまってないと崩れ落ちそうな感覚に、あたしは無意識に蓮くんのTシャツの裾を握り締めた。



「……っはぁ」


どれくらいそうしてたんだろう。

唇が離れた時、あたしは息が上がっていて酸欠にも近い状態だった。



「どこで、覚えたの……? こんなの……」

「……さぁ?」


あたしとは反対に、蓮くんは余裕の表情であたしを見ている。



「好きだよ、梓さん」