夏の夜に咲いた花

お互い黙ってしまった。



この沈黙が居心地悪くて、あたしは思いつくまま口にした。


「まさか、ここで蓮くんと会うなんて思ってなかったなー。それにこんなに変わってるとも思ってなかった。あっ、さっきの彼女、ホントにつき合う気ないんだったらちゃんと断わったほ……」



「梓さん」


蓮くんの真剣な声が、あたしのおしゃべりを止める。


「話ある」


「……な、に?」