入って来た人を見るなり亜美が言った。



「しょうがねぇだろ」

茶色に染めた髪の後ろを乱しながら、その人は入口近くに座った。



「亜美、誰? もしかして……彼氏?」

「ぶっ!」


あたしの言葉に、亜美は飲んでいた麦茶を吹き出した。


「きったねぇな」

入口にいるその人はそんな亜美の姿を見てあきれ顔だ。