瞬間、世界が真っ白になった。


眩しいくらいの光のなか。


濁流のように、頭の中の全てのものが暴れだす。




「…ぅぅぁあっ」



痛い!!!


身体が強張る。




気絶しそうな痛みに支配される。





意識の中でぐるぐると回転する。


すべての感情、記憶。





大きな流れ。








その合間に、私は見た。


チラチラと私をあざ笑うように、目まぐるしく反転する世界の中。









白い病室。




薄暗い店内。




黒いスーツの男達。





そして、私の手についた赤い、血、血、血………――――











「ぁああぁぁあっ…!」




発狂する私をゼンがきつく抱き締めた。

痛いくらいにきつく。










「シノ、落ち着いて」


「ゼンっ…!」


「大丈夫だ、大丈夫…」




取り乱す私に大丈夫、と繰り返すゼン。


それでも私の涙と嗚咽は、止まらない。





止められない。


だって。




だって、だって、だって!






「ゼン…!」




「ゼンっ…」