「俺は…尚輝さんの恋人です。だから尚輝さんの事は何でも知りたいんです」


俺が望月を見上げながら言うと


望月は暫く無言のまま俺を見つめてきて

そのまま優しく抱きしめてくれた







「ごめんね、遼太。全てが片付いたら話そうと思ってたけど、もう無理みたいだね」


小さく溜め息をつくと

俺の顔を見つめた



「遼太はみんな話すよ、俺の大事な恋人だから」











…望月の父親は一代で会社を大きくして

社員が何万人もいる会社社長らしい



その一人息子が望月



だけど小さい時から、会社を継ぐ後継者として育てられたらしく


教師の夢を言った時


父親に酷く反対されていた



「後継者なんて俺には関係無かったし、自分のやりたい事があったから、ずっと親には反発していたんだ」

望月はデスクの椅子に座り
俺は丸椅子に座って、話を聞いていた



その後、大学を出て教員免許を取った望月は


親に内緒で

勝手に東京に上京していた




「だけど簡単に見つかって、無理矢理名古屋に引き戻されたよ。バカ息子!ってぶん殴られたけど」


当時を思い出したのか

フッと鼻で笑った