「遼太~!」


五月のある日



いつもと変わらない朝がやってきて

俺はいつも通り学校へ向かっていた



その時に賢二が後ろから近寄ってきて
教室まで一緒に歩きながら喋っていた




「聞いたか?望月先生の事!?」

「―え!?」





賢二から聞かされたのは

俺もすら知らされていない望月の話










「年内いっぱいで、学校辞めるらしいぜ?」












その言葉を聞いた途端


俺の息が一瞬止まった


口もあんぐり開けたまま、愕然と賢二を見つめていた


「なんだよ?お前知らなかったの!?先生と仲いいから、もう知ってるのかと思ってたのに」



賢二が驚いた顔で、俺を見つめている

「俺…そんな事…!」




―なんで?

なんで、なんで



なんでだよ!




―ドクンドクンドクンッ!


心臓の鼓動が急に速くなって


目の前が真っ暗になる





「賢二!詳しい話聞かせてくれよ!」


俺が必死になって言うと


賢二は驚いた表情をしながらも
全てを話してくれた