¥時給1000万円

なんとか料理を運ぶものの客にバカにされる始末だった…。
「…しっかりしろよ!…そんなんじゃあと一週間持たねぇぞ…!………おいっ!聞いてんのか…!?」

もはや永井は放心状態と化した…


自分の体を抑えるのが精一杯…

ひとまず部屋の端の方へ立ち退いて地べたに座った…。



「…最悪だよな…」
大島が自分の隣に腰掛ける。

「……どうりでこんなうまい話ねぇと思ったんだよ……永井もオーナーの口車に乗せられたんだろ…?……ホントまいったな…」
「……くそっ!…ぜってぇ許さねぇ!…大島…!」
「…ん…?」
「俺はこっから必ず出てあのオーナーを処刑台に葬ってやる…!!」
「……お…おう…!」
話せば話すほどオーナーや客への怒りがこみ上げてくる。

ここから出て警察に通報するしかない…!

見てろよお前ら…!!




もはや金ではなかった。自分の命が助かりさえすればいい…
早く家族に会いたい……

…このあとの永井は体育座りで顔をうずくまらせながら 少しも動くことも喋ることもなかった…。