¥時給1000万円

吹き出した血が自分の顔にも、白い制服にもベットリ付着した。


「…………う……嘘だろ…!?…嘘だろ!なぁ!オーナー!!」
永井は顔をあげてオーナーに言った。
「………?」
「…なんで首を切ってんだよ!!なあ!!」
「…あら!言ったじゃない!……客に気に入られなかった者、票が少ない者は……『クビ』になる…って…!!」
オーナーの目付きが突然変わった。永井はオーナーを睨むが、オーナーが永井を見る顔は次第に不気味な笑みをこぼすようになった。
「…こんなこと許されるはずねぇだろ!!」

「…『斬酒 圭』……これもいいヒントだったのにねぇー…!」
オーナーは永井を無視して、繋がれている永井の元へ歩み寄ってきた。
「…どういうことだ…!!」
「……『斬酒 圭』…読み方を変えれば……『斬首刑(ざんしゅけい)』……フフフッ!どう?素敵じゃない!?」
「……いい加減にしろよ…!そんなこと知ったって結局何にもなんねぇじゃねぇか!!…面接に来たときだって何にも…!」