¥時給1000万円

兵士から記録した用紙を受け取るとニヤリとした表情を浮かべた。
「…では最高獲得数の者から発表する…!!」

「…1位…!…14票獲得した二葉…!!」
客席がドッと盛り上がった。
「……さすが俺が見込んだだけのことがあるなぁ〜!」
永井にいろいろ教えてくれると言ってくれた男はまだ酔いが覚めていないようだ。
「…続いて同票2位…!11票で櫻井と渡部!!」
「…よしっ!!」
「…よかったー!」




そして開票順位も終盤になってきた。
永井は未だに呼ばれていない。
「…13位…!5票獲得した灘!」
「…んだよー…くそ!…外した!!」
「…あーあ…三口も すっちまった…」

拍手もだんだんまばらになってきた。客の反応もバラバラだ。自分が賭けた従業員が呼ばれるとほとんどの客が机を叩いた。

「…そして、14位!……3票で永井!!」
「…あっ…ありがとうございます!」

とりあえず安心できた。この一時間は無駄にならなかった…。

「…次呼ばれなかった奴が『クビ』になるぞ…!!」
するとほとんどの客が前屈みになって注目しはじめた。賭けに負けた客まで、何かわくわくさせた表情を浮かべて…