￥時給1000万円

客は一斉に紙をとってペンで名前を書き込んだ。
「…あっ、そうそう対応がよかった客は五人まで書いてもいいわよ！………それではそろそろ繋がってもらおうかしらね…！…おーい…！」

…えっ？…繋がる…？

するとぞろぞろと部屋に兵士の鎧を着た人たちが入ってきた。腰には刀をぶら下げている。

そのうちの二人が部屋の後ろへ行き、木製の汚れた壁に手をかけた。すると壁は外れ、二人の兵士はそのまま別の場所へ持っていった。

その後ろに現れたのは…

「…うわっ！」
スーツを着た客が驚いた。
永井は声も出るような状態ではなかった。

後ろにあったのは同じ壁だが、一面に血しぶきが他の壁よりひどく行き渡っていた。
そしてその壁には鎖やら手錠やらがいくつも設置されていた。


その光景に驚いていると、突然兵士の一人が永井を捕らえた。
「…おい！離せ！！…離せよ…！」
必死に抵抗するがなかなか手強い…。
他の従業員も同じように連れ去られているが表情が暗いだけでまったく抵抗していなかった…。
「…永井ちゃーん！あまり抵抗すると兵士が怒って永井ちゃんのこと殺しちゃうわよー！！」
オーナーのその言葉を聞いたとき体がビクッとなり、動かなくなっていた。