袋の外からは見えなかったが襟がついた半袖のYシャツ、真っ黒なズボン、そして腰下からの黒いエプロンが入っていた。

もっとくだけた服かと思ったが意外と正装な服だった。

エプロンは後ろでハチマキのような紐を結ぶのだが、それにてこずってしまい縦に のびた結び目になった…。

カーテンを開けるとオーナーが笑顔で近づいてきた。
「…まぁ!似合うじゃないの…!……じゃあ脱いだ服はハンガーに掛けて、一番奥にある縦長のロッカーに入れてちょうだい…!」
「…あっ、はい…。」
服をハンガーに掛けると灰色のロッカーを開けた。

中にはたくさんの服が掛かっている。
一体どんな人たちが働いているのだろうか…?

「…じゃあ次は実際に使う道具などを説明しますね!」
そう言うと元の部屋へ歩いていった。
急いで自分もついていく。

「座っていいわよ!」
「…はい。」
椅子に座るとひんやりと冷たい温度が伝わってきた。
暖房もあまり効いていないようで少し寒かった。


オーナーはバーカウンターの下からペンとオーダーを書き込む伝票を取り出した。
「…いつもはこれが仕事場のレジカウンターに置いてあるから使ったら取りに行ったりしてね!」
「…はい。」