「…じゃあそろそろ…。」
時計を確認した。
「はい、気をつけて!」
「行ってきます!」
「行ってらっしゃーい!!」
父以外の二人は手を振ってくれた。


外は今季最低気温の記録を出した。
とにかく寒い…
息を吐く度に非常に濃い色の吐息が見えた。

薄紅色の空がまだ映っていたはずが、『居酒屋 ネック』の辺りは木々で囲まれているためほとんど明かりを遮っていた。


はじまるぞ…!


ドアノブに手を掛けゆっくり戸を開いた………