¥時給1000万円

朝は食欲が出なかった…。真の友と言っても過言ではない松島が首だけが無い状態で森から見つかったそうだ…。
どう考えても他殺としか考えられない内容に、その犯人が憎くそして何もできなかった自分が情けなく感じた…。

松島とは幼稚園からの付き合いだった…。
すぐ隣の庭が広い家に住んでいるという常に身近な存在でもあった。
小さい頃から常に明るく、やんちゃで誰からも人気が出る奴だった…。
ただ松島は覚えていなかったようだが幼稚園児の時はよく松島に意味もなく髪を引っ張られていた…。何度も引っ張られると髪はバッサリと抜け、彼はそれが快感だったらしい…。彼は喜び、俺は泣いた…。
あいつは俺より強かったため何も抵抗できなかった。なぜそこまでして髪を引っ張るのかと疑問に思ったが、結局理解できず今考えれば恐ろしいことをされたものだった……。
小学校に上がるとそれはピタリと止んだ。それまでは松島のことは大嫌いだったが、今までの過ちを学校を毎日登校する度に謝ってくれた。
そうしている内にいつしか松島がいい奴に思えてきた…。
小学校低学年までは、まだおてんばな性格が抜けず、よくボールをガラス窓に当てて割っていた。しかし小学校高学年ではその明るい性格と気さくなトークで何度もクラスに笑いを生み出し、いつしかあいつはクラスの人気者になっていた。