¥時給1000万円




「…………リンチしたんですね…?」

「……ハハハハッ!!」
甲高く笑う様子を二葉は眉間にしわを寄せてジッと見ていた。



「……コロッと弱音を吐いたよ!ハハハハッ!!」

腹を抱えて笑う孝文に二葉は憤りを感じた。



ただその憤りをぶつけることができない…



仮にも自分も恨みを抱いた人物だ…


キレイ事なんて言えなかった……




「……そして俺は今の職場に変えたんだ…!」

「…………でも…なんで殺し合いをさせる職場に変えたんですか…?」
「……それは俺の趣向かな!」
「………?!」
徐々に冷静でいられなくなる自分に気づいた。




「…いや…俺は自分が苦しんできた分を他の奴にも味わってほしかった………死ぬ思いするぐらいな…!それを第三者で見る気分に浸りたかった…」

「ふざけんな…!」
ガラスを強く叩くが、叩いて痛みを感じた後にそれが無意味だということに気づく…