「………おめぇさん…人気者だなぁ……見るか?新聞…!」
隣の部屋にいる日本人の囚人から、対面する牢屋しか見えない鉄格子を通して新聞が差し出された。
「……いえ………結構です…」
そう言うと新聞はスッと戻っていった。
後ろを向くと4本の鉄格子を挟んで外を見ることができる。
そこから冷たい空気が入り込んでいたかと思うと、雪がちらほらと降り始めているのに気づいた。
新しい制度により日本人の犯罪者の禁錮の際は、どこかの国の刑務所に入れられることになっていた。
二葉は、ここは米国だとうすうす感じていた。
1ヶ月過ごしてきたが、何も変わることのない毎日に苦しみを感じていた…
生きているってこんなに辛いことなのだと……
二葉は何度も思った…
質素な食事…
汚いベッド………
風が常に吹き抜ける部屋…
ここは…豚小屋だな…