「……次は…井上……井上…!……おいっ!起きろー!!」
「…ふぁ〜ぃ…。」

笑い声が教室に響く。

「……次…大島……大島……!」
大島の姿が見えない。
「…休みかぁ…。珍しいな大島が休むなんて………んじゃ次行くぞ!」

確かにあいつが休むのは珍しかった。ほとんど遅刻もしていない大島がいないのは少し寂しかった。
そういえばあいつ昨日の『ジョブロ』どうしたんだろな…。オーナーが変に口外するなって言ってたから返してもらいたかったんだけど…。あいつ結構口軽いしなぁ…。後で電話してみっか…。
「…永井…!」
「……あっ、はぃ!」
「ぼーっとしとるぞ…起きろ!」
「はい…すいません。」

そうだった…。

出席番号で大島の3つ後は俺だった…。このクラスで名前に『け』〜『つ』が付く生徒はおらず『は』〜『ま』に出席番号が集中していた。そのため呼ばれることが早く、遅刻寸前の電車に乗ったときの朝は必ず呼ばれた後だった。恐らく出席順が最後の和田と比べたら出席率は非常に悪いものだろう…。