あれから連休が過ぎて火曜日になり、冬休み直前の1週間が始まった。というのもあと4回学校に行けばいいだけという、気持ち的に楽なためいつもより早めに起きることができた。

そして今日も会話の少ない朝食をとる。
妹はいつものように朝は機嫌が悪くテンションが高い普段の様子が全く見られなかった。

妹は俺が降りる駅より1駅早く降りれるし、さらに駅から学校が近い、登校時間が9時からという好都合な学校で、毎朝家を出るのが遅い。
といっても20分ぐらいなのだがその20分が今の自分には大きかった。


いつもと変わらない朝の景色…住宅街を抜けて駅へと向かう。
今日は よく朝見かける黒いラブラドールを散歩するおじさんがいなかった。昔から少し早めに家を出た日はおじさんを見かけないことが多かった。


乗り込んだ電車もいつもと見かける人ばかり。そんな日常にいつもなら飽きつつあった。
しかしそこにあの話が出てきてからは、なぜか何を見るにも新鮮に感じていた。



担任が朝の出席をとりはじめる。
「……今週来てもう今年も終わりだ!気を引き締めろよ!………じゃあ出席から……えー…阿久津…」
「…はいっ!」
「…井口!」
「…ウィ!」