数学は昔から得意だった。












一つの答えが近づくにつれて感じるあのドキドキ感…








証明を完了させるとそこには達成感があった。










数学に関しては解けない問題なんてホントはなかった…







数学は常に100点を取る自信があるにも関わらず、優等生という言葉が嫌いな永井はあえてテストの度に満点を取らなかった。

テストなんかで自分を評価されるなんて嫌いだし、ましてや自分を過大評価するのが嫌だった。
それに数学だけずば抜けていれば…
『…数学だけはいいのになぁ~…』
なんて冷やかされるに決まってる…。





だから自分の中だけでさえ出来ていればいいと思っていた…


















だが……












永井はこの日初めて計算ミスをおかした…







最初で最後の致命的なミスであった……



















薄れていく意識の中、頭で証明を始める……