『……賭けてみるか…!』


『………あぁ!!』

『……永井くん……教えてくれないか…!』



そして従業員が皆一致して脱出の計画を立てた。


この時永井には、この場所に来て初めて気持ちが一つになる瞬間を垣間見た。





それは永井に自信を与えるものとなった。





……ありがとう…。









暗闇の中、壁づたいに進む道は曲がり角に到達した。






このまま左に進めばようやく…


長嶺の言葉通りに進む道は、希望に満ちた空気が流れ出ていた…









「……脱出しろよ!」
長嶺は主電源で役目を果たしてくれた兵士の元へ駆けていた。


「…相良(さがら)よくやった…!ありがとな!無事にあいつら脱出してるはずだぜ…!」
「……………」
「……おい…相良…どこにいるんだ?」
暗闇の中、手探りで相良を捜す。
「……ここが主電源だからっと………」


その時…長嶺の指先にヌメリとしたものが触れた……


「……相良…?」

そして相良の髪の毛を掴んだ瞬間、その重みでそれが何なのかが分かった…





「……相良!!」

長嶺の手には首だけになった相良の頭部が掴まれていた。
それと同時に胴体がドサリと音を立てて倒れる。



「………おい!…相良…!…暗くて見えねぇよ!!相良じゃねぇよな?!……おい!」


その時…長嶺に冷たい物が走った…