「はぁ………

はぁ…………




…はぁ…」


永井の吐く息が目の前を白くする…





電気が暗くなったとき、あらかじめ長嶺によって外されていた鎖をほどき、長嶺が声をかけて協力させた兵士によって主電源を落とし、その間に永井は壁をつたって逃げ出した。













自分よりはるか先に従業員全員が先に逃げている…
いくつもの足音がトンネルの中で鳴り響く…









『………皆さん…聞いてもらってよろしいですか…?』
永井が前日の晩、従業員全員に話しかけた。



一度深呼吸をして話す。




『……明日…俺はここを脱出しようと思います…』



その言葉に誰もが驚いたが、すぐに反感の空気に変わった。


『……てめぇ一人で逃げるつもりかよ!』

『…まぁ…落ち着け…。無理に決まってんだろ…』
『……もう大島の方法が使えねぇんだぞ!なのにどうやって…』




永井は区切りをよんで話を続ける。