「………いない…」






オーナーの目の前に映ったのは誰も繋がれていない鎖だった…

その場で唖然とする…




「…お…おい………永井だけじゃねぇ………他の奴らもいねぇぞ…」
「…なんだと!?」
客が自分たちのライターで部屋を見て回ったが、従業員が皆いなくなっていた。
「…逃げる気配感じなかったのか!とっ捕まえられなかったのか!」
長嶺に投げかけた。
「……申し訳ございません…」
「…鎖は確認しなかったのか!」
「………いえ、私たちはいつも通りしっかり掛けました…」
「……ふざけるな!……早く…早くあいつらを捜してこい!逃がすんじゃねぇ!!」
「……ハッ!」
兵士らがぞろぞろと出る。




斬酒はGPSの存在を思い出し、即座に右ポケットから携帯型の機械を取り出す。








だが……個人のGPSが一つも表示されない…

監視カメラも映っていない…


機械は壊れている訳でもないのだが、やはり主電源を落とされているため作動していない…