絶対脱出して見せる…!







兵士からの脱出経路を思い浮かべる…


『…まず、扉を開けて出たら右に行くのは分かっているよな…。……その後もし分岐になっている道が出たら左へ行け…そうすれば扉へ到達する…。分岐になっていないことも考えて、左の壁づたいに手を触れながら走っていけば必ずどこか切れ目があるはずだ…!その辺りを上手く押せば扉へ続く道が現れる…!』



大丈夫……!


そんなに難しいことではない…!


ただ勤務時間が近づくにつれて心臓が激しく動き、食事もままならない状態だった。



何もする気力がなく、ベッドで横になって布団を被る…




そして大島もいないせいか、じわじわと寂しさがこみ上げてきた……









…帰りたい………

家に…帰りたいよー……


また家族に会いたい…

友達にも…





永井の目から出た涙は仕事の時間まで止まることはなかった…


そしてこの日寝室には永井の鼻をすする音が一日中響いていたのだった…