¥時給1000万円


「…俺はこいつら一人一人に今日の第1部から第4部を通してこんなことを言ったんだ…『……実は今日で俺はここで働くのを最後なんだ…。俺が死ぬのは承知で頼みがある。……3000万払うから…その代わり、俺に1票だけ票を入れて欲しい。最後に票を1票だけでも得て死にたい。俺は無票で死にたくない…それだけが心残りで死ぬに死にきれない…』そう話したら誰もオッケーしてくれたよ…。」

「…でも…そう簡単にお前のことを信用できねぇだろ!…第一、お前はその金を………!!!」
男が何かに気付く…


「……あぁ…!もちろんあるよなぁ…!」

そう言うとこの建物内で使える通帳をポケットから取り出して開いた。

「……見ろよ!俺はここで3億6千万も稼いだ!…そして今日の分を入れれば4億になる…!客はお前を入れて13人…1人頭3000万は渡せるって計算だ…!ってことは俺についた方が今日の客にとっては得だということになるよなぁ…?」

「…………」
男は握りこぶしをつくって悔しさを表した。