永井は大島を気にしつつもある程度の仕事をこなした。
ただ厨房に毎日自分のオーダーを受けとってくれていた おっちゃんがいなかった…
厨房の中を覗いても白髪のおっちゃんの姿が見当たらない。
体調でも壊したか…?
永井にとってこの時間の仕事はスムーズにこなせなかった。
今のところ、この部屋の空気は二葉の時のように、大島へ非難する声は上がってはいない…
ただじわりじわりと大島が死へ向かっているような気がしてしょうがなかった…
なんせ第3部で最下位から3番目だというのが気になる…
さらにこのままあの客が動かないとも考えられない…
「…さぁ~て、みんな大好き賞金獲得チャ~ンス!!」
6番テーブルの男が再び立ち上がった。
ほらみろ……
従業員の足が一斉に止まる。
金額は昨日と同じぐらいで1億前後だった。
「…今回も大島くんに投票しなければ、10口のバックと合わせて簡単に1500万近く獲得できる山分けチャンスだぜ~!」
二葉の時と同じだ…
客を味方に付けられた以上…投票の獲得は無理だろう…
あとは大島がどんな方法で脱出するかだ…


