「……はぁ…よかったです…!」
「…よかったね。彼って今日で辞めるんだっけ…?」
「……はい。」
「…最後まで残ってくれるといいね。」
「…はい!ホント生きてここを出て欲しいです。俺の大切な親友なんです…!」
「……大切な親友かぁ…。そうだね。『クビ』にならないよう祈ってるよ…!」
「…ありがとうございます。」
松本とは初めて言葉を交わした。
最初は不敵な笑みを浮かべる嫌な人に見えたが、話してみると笑顔が素敵で見ただけでも好印象をもてた。話し方も二葉のように穏やかで、こんな人もお金に困って働いていることに意外性を感じた。
松本はその後ベッドに戻って布団に入るとすぐ眠りに就いた。
再び脱出策を練っているとあっという間に勤務時間がやってきた。
どうしても大島のことが気になり、少し早めに向かい 中の様子を伺うことにした。
ザクッ……
「……ぐわぁっ……!」
ちょうど誰かが『クビ』になったところのようだ…
そーっと…中に入る…
客がガヤガヤとしているため入ってきたのに気づいたのはオーナーぐらいだった。


