「…そんなことがあったんですね…」
「…あぁ…。外泊は1日しかなかったからその後呼んだ警察がどのように動いたか分からないし、一週間ごとに与えられる外泊の時に状況を逐一聞くけど、二年経った今でも犯人は見つからないらしい…。…だからその時誓ったんだ!……どうせ自分には帰るとこなどない…犯人なんてどうせオーナーに決まっている!ならばここに戻って、オーナーに復讐する機会を待とうと!」
「………それが二葉さんが残っている本当の理由だったんですね…。」
「…あぁ…!そして私はここに長く勤めていて、いろいろ真相が見えてきた。だから今度こそあいつを檻にぶち込むチャンスなんだ…!だから明日の晩に脱出を試みる…!」
「……でも何か方法はあるんですか…?」
「…実はもう手はうってある!」
「………え!?そうなんですか!?どこかに抜け道でも開けたんですか…?」
「…いや違う…。それは佐田が失敗した…。」
「………さ…佐田さんが!?」
「あいつは賢かった…。どうやらあいつはGPSをベッドの上に置いて、あたかも寝ているように仕向けては、毎晩毎晩黒いフードをかぶり建物の屋根に登って、地上へと繋がる ここで言う『空』に穴を開けていって抜け道を作っていったらしい…………けど…」
「……見つかった…。」
「…あぁそうだ…。」


