「………誰ですか…?」
「…分からねー…。ただ俺らには何かしらチップが入っていて、出口に近づくと反応してグルが来るらしい…。」
大島と永井は服を探るがそれらしいものは見つからなかった。
「…逃げるとこを見つかったら…どうなるんすか…?」
「…………もちろん…………『クビ』だな…。」
「…俺ら兵士が逃げた人は…?」
「…今までいろんな奴が試したが……………全員『クビ』になった………。」
「………じゃあ俺らは…無理なんすね…」
「………あぁ…俺らのもう一つの共通点を考えたら出られないのも納得するだろう…。」
こう述べた長嶺以外の者は全くそれがなんのことだか分からなかった。
もちろんクローゼットに隠れる2人も頭を傾げた。
ただそのことに誰も触れようとしなかった。触れたところで何も自分たちの脱出の益にはならないと踏んだからだ。
「…永井…このあとどうする…?」
真剣な顔で永井に尋ねる。
「……大島は…?」
一息おいてから引き続き小声で話す。
「…俺は…………残る。」
「………おい…。それはできない…!…一緒に出よう…」
「……頼む永井…!俺に考えがあるんだ…。」
大島は割り込んですぐに言った。


