この空間に入ったならば『絶望』『地獄』という言葉しか浮かばなくなる…

だから人工的な光でも もしかしたらという気持ちで向かってしまい馬鹿を見る…
それがここからの脱出という光…

近いうちにあの従業員はここを抜けだそうと考えるであろう…

そして現実を知り…後悔…







だが…


俺は違う!!



本当の希望…地上から射す太陽の光を見つけ出してやる…!!


ここでの目的はそれだけだ!











「…では間もなく開始する…!………………小向くん…しっかり働くのよ~」
オーナーがニンマリした顔で小向に言った。
「……………はい…」
小向は顔を床に向けたままだ。


「……開店!!」
何人かの手が挙がって従業員の名を呼ぶ。
だいたいそのような人は常連客だ。
「…小向っていう新人…おいで…」
6番テーブルに どっかり座る あの男が呼ぶ。


今日は誰に10口を賭けるべき…か…
まずはこいつの性格とやらを拝借するか…


黄ばんだ歯が男の口から覗いた。