出口に向かおう……!
あと少しでそのドアに………
………コツ……コツ……コツコツコツコツコツコツコツコツコツコツコツ……
「…うわぁ…!」
驚いて後ろを振り返る…
コツコツコツコツコツコツコツコツコツコツコツコツコツコツコツコツ…!
勢いを増して近づいてくる足音と陰に足がすくむ…
そしてその陰の正体が現れる…
大きな体…分厚い唇……目に留まる二重顎……………………………オーナーだ…!
「…ひっ…!」
永井は一生懸命地べたに座りながら逃げようとする……
だが行き届いたのはドアの前……ここを開けない限り行き止まりと変わらない……
オーナーが近づいてくればくるほど息と鼓動が速くなった……