まだ今日の半分しか働いていない…


時間が経つのが遅く感じる…

昔からそうだった…
嫌な時間を過ごさなければいけないと思えば思うほど時を刻むのが遅かった…。


でもよくよく考えてみれば低賃金で働いていた時と比べてみればよっぽど今の仕事の方が正直やりがいがある。

今すぐにでもここを抜け出せればさらに良いのだが…



「……では第３部を開始する…！」
従業員は何人かは勤務時間外のため退室し、何人かは勤務時間となって入室してきた。
……いずれにせよ自分が立てたシフトだ…文句など言えない……


部屋の中はまだ苅谷と藤本の血のにおいがかすかに臭った。

二人が発した最後の叫び声が頭の中で時々蘇る。

あんな死に方をしたくない…
誰もがそう思った。


「………おい！兄ちゃん…！！」
「…えっ…？」
「…早くしてくれや！」
近くのカウンターに腰掛ける男性が自分を呼んでいるということに気づいた。

いつの間にやら第３部が始まっていた…。

「…すいません……」
謝りながら男に近づく。