¥時給1000万円

「……1位…!……11票で……二葉…!」

勢いある拍手が湧き上がる。

「……いいぞ!」
「…んだよ~また二葉の独走じゃねえかよ~…ハハッ…!」
いつものように6番テーブルの男と他に酔った客が野次を飛ばす。

これは他の従業員へのプレッシャーをかけているつもりなのだろうか…?
確かに野次馬によって緊張が増すこともあった。

嫌な客たちだ…


「…2位…!……8票…………佐田…!」
「…おしっ!!」

「……3位!…6票で…櫻井…同票で横田…!」
灘と対立する2人が立て続けに通過した

歓喜の声があがる中、残っている者は徐々に焦りを感じている。

開票は続いた…

永井や大島、その他何人かが呼ばれて第2部の通過者が決まった。

そして残り4名の従業員が残った…

残るは 藤本、苅谷、灘、そして松本という初めて聞く従業員がまだ呼ばれていなかった…

客の中には賭けに負けた者がちらほらと出てきていた…

「……続けるぞー…10位…!……10位は………灘……!!…3票だ…」

「……はぁー…」
灘の安堵した声が聞こえた。拍手の後に静寂に包まれたかと思うと…
「……おうおう…!灘さんも生き延びたか~…」
「…つまんねぇなぁ~…」
櫻井とつるんでいる奴らが冷やかした。

灘に仲間する者はほとんどいなかった。