黒いブーツを履いた足音が男へと近づく…。
コツ……コツ…………
「……いやぁ…やっぱこれが運命ってやつなのかなぁ〜……へへへッ……」
男はまだ大金の喜びに浸っていた…
そして男の前で足音が止まる…
ようやく男は気づき、後ろを振り返る。
スラッとした体つき、こがね色に染めた髪、腰回りや腕にジャラジャラとアクセサリーをつけ、シルバーのイヤリングが冷酷な光を放っている…
…なんだと言おうとした瞬間……
ポケットから両手が現れ、片方は胸ぐらを、もう片方骨の突き出した拳が顔面めがけて吹っ飛んできた。
よけようとして首を右に曲げたために 拳が頬と耳の間に直撃した。
耳の中でキーンと音がする……


