¥時給1000万円

「……4位…!……7票で…大島…!!」
大島の喜ぶ声が聞こえる。


続いて5位に永井が呼ばれた。

その瞬間、からだ全体に響いていた鼓動も一気に止む。

特に失敗もなく『クビ』になることなどないとは思っていても まだこの状況には慣れず、精神的に参る時間が何度もあった。
思わず安堵の声をあげる。




そんな気持ちなんか知る由もないかのように開票は続いた…。


「…6位…!……」

「………7位…!……」


そして遂に今宵 最初の『クビ』になる者が決まる…。

「……残っているのは櫻井と金田…………次呼ぶ奴までが第1部の通過者だ…!……分かってるな…!」
鼻下や顎のヒゲが目立つ金田は目を閉じて頷く。彼のサッカー選手のような短い髪はいかにもスポーツマンな姿形だった…
だが彼もまた死を前にしてみれば一人のヒト……口元が時々 痙攣をおこしていた……

一方 櫻井は目をキョロキョロさせて落ち着かないようだった。