ヴーーッ…ヴーーッ…


ん…?どっかで振動が…




その音でウトウトと目を覚ます…
あれ…!?お金が…ない…。

目の前は見慣れている自分の部屋だった…


ヴーーッ…ヴーーッ…

なんだろこの振動は…?


机の上で携帯が振動してその度にこちらの方へ移動していた。


目をこすりながら傷だらけになった携帯に手をのばす。


誰だ…こんな時間に…。

通知されている電話番号は知らない番号だった…


首をかしげながらも通話ボタンを押す。



「…も…もしもし…」

声をやや潜めて話した。




2、3秒の沈黙が過ぎた…






「……永井さん…でよろしいでしょうか…?」

割と高い声の相手だった…



誰だ…?




「…はい…そうですが…あの…どちら…」
「…そう!よかったわぁ~!申し遅れましたけど、居酒屋『ネック』のオーナーを務めております斬酒 圭(きりさけ けい)です!よろしくねぇ~んっ!!」
どうやら昨日電話したお店に間違いないようだ。
改めて表示されている番号を見ると昨日かけた番号と同じだった。