「くるみー!朝からなんだか得した気分だね!!」

『莉子には彼氏がいるでしょ?』

「まあそうだけどー。くるみ的には嬉しかったでしょ?」


『そんなことないよ。確かに佐藤藍斗はかっこいいとは思うけど、私とは住む世界が違うの。』


「あれ…?ねぇ、くるみ、これ」





莉子が見つけたのは


クマのキーホルダーのだった。





「佐藤君のじゃない?」






クマの洋服にアルファベットでA.Sの頭文字がかいてあったから、




佐藤藍斗のだと




私も思った。




「男子のわりには以外と可愛いの付けるんだね。」







『彼女からのプレゼントとかじゃない?』





そうだよ、彼女からのプレゼントだよきっと。





私はなんだかこの時

自分にそう何回も

心の中で言っていた。



自分の気持ちを


沈めるために。



無意識に―――。