何かしてやりたいのに。 何もしてやれない…。 悔しい…。 目から大粒の涙が零れた。 涼に気づかれないように、毛布で隠す。 声を押し殺して泣いた。 涙はどんどん溢れてくる。 「…何泣いてるわけ?」 後ろから聞こえる。 大好きな甘くて低い声に、肩が揺れた。 「な、泣いてない…」 涼はあたしを引っ張ると、頬に伝わってる涙を指で拭った。 「じゃあ。この濡れてるのは?」 「汗…」 涼は笑い、優しく抱きよせた。 「どした?」