「和也。人が人に生まれ変われる確率ってどれくらいだと思う?」



「んー…2回に1回ぐらい?」



母さんはそれを聞くとニッコリ笑って俺にこう言った



「100年に1回だけ海面に顔を出す亀がいたの。そして、その海面を漂う穴のあいた木の幹があったの」





「うん」





「その亀が、幹の穴に顔を入れる確率ってどれくらいだと思う?」




「そんなの絶対無理!!」



「奇跡的に入ったとしたら?」




「あるかもしれないけど、難しすぎるよ、そんなの」







「そうね。でも、それよりも人が人に生まれ変わる方が難しいんだって。だから…命を粗末にしちゃダメよ」







「うん。分かった」