「てゆうか歩椎傘さしなよっ」






黙ってると、本当に泣いちゃいそうだったから、目の前でびちゃびちゃの歩椎に言った。







「あ~もうここまで濡れてんだしもういい」





「あ…そ…



ちゃんと家帰ってシャワー浴びなね




じゃ」






そう言って体を回転させた。







「またな、明日華」








後ろからくる声に、一粒の涙がこぼれた──────