愛と云う鎖



城を出た所で、外には黒塗りの馬車に真っ黒な馬が主人を待ちわびていた。


そのどれもがマリー達の所有する物とは違っていた。


「出せ」


青年がそう言うと、何処から現れたのだろう黒いローブに黒い頭巾を被った人物が現れた。


まぁ、人間では無いと思うが。


「仰せのままに」


黒いローブの男が主人に頭を下げ馬車の扉を開くと、青年は未だ放心しているマリーを中に押しやった。


青年も乗り暫くすると馬車が動き出す。


「……っ…ひっく…っうぅ……ーーー」


青年が視線を窓の外から声のする方へと移すと目に写ったのは、つい今しがたさらった女が、両手で顔を覆い嗚咽を漏らしている姿だった。