「泣いてんの・・・俺のせい?」
「アカヤのせいじゃないよ」
自分が悪いんだもん。
「ごめん」
「だからアカヤのせいじゃないよ」
別にアカヤは悪くないのに謝ってくれることが悲しい。
「俺・・・いっつもだな。お前にそんな顔させるの」
「え?」
どういうこと?
顔を上げるとアカヤは悲しそうな顔をしていた。
「アカヤ・・・?」
「いつもお前が話し掛けてくれても、俺のせいで・・・悲しませてるな」
「アカヤ・・・?」
アカヤがあたしの髪をゆっくり軽く掴んだ。
「俺が諦められなかったもの・・・分かる?」
なんで?
なんで切なそうにあたしを見るの?
「アカヤ・・・?」
「俺がサッカー関係なく、諦められなかったものがあるからこの高校に来た理由。
それはお前だよ・・・」
え・・・あたし?
アカヤくんは切なそうに言うと、あたしの髪から手を離して先に歩いて行った。
「アカヤっ」
名前を呼んでもアカヤは振り向いてはくれなかった。

