辛い話しをした後にアカヤやらの"頑張ったな"って・・・。
嬉しすぎて涙が出てきそうだよ。
そんなあたしなんて気づきもせずにアカヤはマイクを持つと話し出した。
『僕はサッカーが好きで、教えてもらいたい監督がいるんで、そこでサッカーがしたいと思い、県外の大学を行くことにしました』
だから県外の大学に行くことにしたんだ・・・。
『じゃあ高校受験もそんな理由だったんですか?』
『それは違いますかね』
この高校を選んだのはサッカーが強いからじゃなかったの?
『じゃあ何なんですか?』
あたしも気になる。
『それは答えません』
え?答えないの?
『なんでですか?』
『それは・・・なんとなくです』
なんだそれ。
『教えて下さいよ』
佐武くんも粘る。
『言うなら、諦めたくなかったからです』
諦めたくなかった?なにを?
『なにを諦めたくなかったんですか?』
『これは答えません。みなさんも大変ですが高校受験頑張って下さい』
アカヤは無表情で言うとお辞儀をするのであたしも慌ててお辞儀をした。

