『最後ですから、2人とも答えて下さい』
2人ともか・・・。
「あたしから言うね?」
「ん」
マイクを持った。
『あたしは保育士になりたいので、まずそれには知識と検定が必要なので、短大を行くことにしました』
『なんで保育士になりたいと思ったんですか?』
佐武くんは質問をした。
話さないといけないか・・・。
『あたしには、歳が離れた妹がいました。その妹が4歳の時にボールを追いかけ保育園を飛び出し、車に引かれて死にました』
体育館がざわつく。
『別に保育園側は悪くなかった。でも、そのことがあり、あたしは妹の分もそんなことがもう起こらなくなってほしい。
あたしが子供を守りたい。そう思い保育士になりたいと思い、短大の保育科に行くことに決めました』
『・・・辛い事を聞いてしまいすいませんでした』
佐武くんはしょんぼりした顔で謝った。
『佐武くんが謝ることはないです。あたしの質問の答えがこんな答えだっただけです』
あたしはマイクをアカヤに渡す。
渡す瞬間だった・・・―――
「よく頑張った」
アカヤはあたしの背中をポンッと軽く叩いた。
そんなの狡いよ・・・。
やっぱり妹の話しをするのは辛かった。
でも真剣に聞かれたからには真剣に答えないといけない、そう思って真実を話した。

