魔王に捧げる物語







「深淵なる闇より光を目指せ………臆する事はない。

悲しみの後には喜びも待っているさ……」




もし今がどん底なら、

上がれるだろうか?

悲しみの海に溺れているわたしは………、

晴れやかになれるだろうか?

自信はない………。


悲しみを抱えて生きよう、死んでもいいと考えていた。



どうなってもいい……。


「わたし、どうなってもいいわ………」




ミラがそう言った瞬間カインがほくそ笑んだ。





彼を中心に闇が広がり、あっという間に周囲が飲み込まれる。


真っ暗になり、彼の姿さえ見えなくなった。




さすがに不安を感じ、キョロキョロと周囲を見つめるが何も見えない。





「カイン…………?」


どこ………?


恐る恐る足を進めるが、何もない。

光も音も………、

全視界が闇に覆われ、目を開いているはずなのに、何も映らない。