魔王に捧げる物語





「ありがとう、カイン。

わたし、行くね」


「お嬢さん、」



歩き出したミラをカインが呼び止める。

ゆっくりと振り返ると、彼はいつになく真面目な表情だった。



「何が起きても、受け入れられる………?」




「うん……」



「私達は運命までは導けないよ。

君の人生は既にニルによって変わった」



「いいの、きっとこれが………、

運命だわ。

どんな事でも…………わたしは諦めないし、頑張るよ」


そう、初めて欲しいと思ったから。

彼の隣がわたしの場所だと言いたいから。




強い眼差しのミラにカインは優しく微笑んだ。



「何かあったら私を頼りなさい。

出来るだけの事をしてあげるよ」



軽く頷き、イシュを少しだけ見つめ………。


ミラは雪原を歩き出した。



不思議と寒いとは思わない。

今なら………、どこまでも行ける気がした。