魔王に捧げる物語




行くのだ………、と。



そう思った瞬間、引き留めようと体が動いた。




「やだっ!いかないで………っ!」


「ミラ、俺は魔王だから」

「行っちゃやだっ!」



一人でここに残るのも、置いて行かれるのも。


そんなのはイヤだ。



みっともなくても、力一杯すがりつく。



「…………俺が何をするか見るの?

必要ならたくさん殺すよ、
元凶を摘み取るのが先決だし……」



っ!!!



「カインがある程度動いているし、北は俺の領分だから始末は俺の役割だ。

もしもこの身を削っても」



嫌だと首を振っても、涙がこぼれても、彼はただ優しく抱きしめるだけ。



ミラの気持ちを理解してくれない。



きっと行ってしまうのはわかってた。

それでも、止めずにはいられない。