魔王に捧げる物語




ポカンとしているミラをよそに、目の前の大きな扉が開き。


女の人が飛び出して来た。


「お帰りなさいっ!!」


そのまま一直線にカインに飛び付き熱い抱擁を交わしている……。



「ただいまエリー。寂しかった?」

「別に!」

「……………」

「お客様はどちら?」



アツアツな雰囲気かと思えば、一瞬で離れて気づいたようにミラ達に笑顔を向けた。


白く長い髪が艶やかに流れカインと同じ紫水の瞳は白い睫毛が完璧に上向き、

石膏のように白い肌は荒れを知らないと言わんばかりに整っている。

桜色の唇が嬉しそうに笑みをたたえ、華奢な手が口元に運ばれた。



「お久しぶりですニル様、可愛らしいお方をお連れ下さり嬉しい限りです。

ようこそいらっしゃいましたミラ様?」



声さえも美しい……。

光を放っているような圧倒的な美貌はゆっくりとミラに近付いた。


「私はエリアーデ、エリーとお呼び頂けますか?」