魔王に捧げる物語




「なんか………あいつらのためにお洒落したみたいで気に入らない」


ポツリと漏れた言葉にドキリてする。


「ニル……」


「可愛いよ……出掛けるのやめたいくらい」


「お話したいよ、ニルの言う事ちゃんと聞くから!」


雲行きが怪しくなってミラは慌てた。

こんなチャンスはそうそうない、機嫌を損ねたらたぶんしばらく外を見られない。


ニルを見上げると、諦めた様子で頭を撫でられた。




「わかったよ……、じゃあ俺の首に腕まわして?」




大人しく従うといきなり身体が浮いて、思わずしがみつく。



「近くまで飛ぶよ、そこからは景色を見ながら行こう?」



「うん!」



返事をすると艶々しい黒い翼が自分達を包んだ。


視界が暗くなる。