屋上のドアを開けた先には



前に会った時と同じように

日陰で気持ち良さそうに眠ってる五十嵐くんを見つけた。




「…五十嵐くん!」


大声で呼んで、近寄って行くと


よっぽど熟睡していたのか


『なんだよ』


と、不機嫌そうな表情で言った。


「あの…昨日は、ありがとう」


『…あぁ。』



「ホントに、ありがと。とりあえずお礼が言いたかっただけなんだけど…起こしちゃって、ごめんね」



『いや、別に』



私がお礼を言っても、謝っても


素っ気ない返事しか無かったけど…


少し近づけたような感じがして、ほんのちょっとだけ嬉しかった。