でも… 夏休みだというのに、誰ひとりとして泳いでいる人がいない。 満天の青空で、最高の海日和なはずなのに… と不思議に思っていると、近くにバイクを停めたあと 私の手をひいて、堤防の隣にある階段で、浜辺まで降りた。 『ここ、泳げねぇ海なんだよ』 目の前に広がる海を見ながら、慎司が言った。 「…えっ??」 泳げない海って…?